大人のためのおはなし会          

 瀬上 恵美                        
「5歳になったつもりで、お聞きくださいね」 朝の光が窓辺にあたたかく、吉岡美奈子さんの声を包んでいます。吉岡さんは〈おはなしなんでもや〉を主宰する読み聞かせの名手。初めて聴いた数年前、読み聞かせは芸術であると衝撃をうけました。以来、毎月第一日曜日の十時半が待ち遠しいのです。

12月の《大人のためのおはなし会》に集まったのは6人、それぞれ5歳の記憶にはっきりたどり着けないまま、表情は次第に和らいでいくのがわかります。思い思いの場所で、楽な姿勢で吉岡さんの声に耳をそばだてます。

いつも最初は絵本を使わず、各地の民話や伝承話などをお話しくださる素話(すばなし)から始まります。今日はオーヘンリーの短編「警官と賛美歌」。吉岡さんの手にかかると、主人公は女性になり、簡略化されたニューヨークでのストーリーが「東北弁」で語られます。囲炉裏の向こうから吉岡さんの声が静かに聞こえてくるような気がしていると、いつのまにか、マディソンスクエアに降り積もる雪の中にぽつんとひとり、赤茶けたコートをまとって立ちすくんでいるホームレスの女性の後姿がくっきり浮かんできます。絵のない絵本は、聴く人の胸の中でそれぞれの彩りを展開していく不思議な世界です。

 そのあと読んでいただいた絵本は「いろんなおもちゃ」「森のなかへ」「落語絵本・おにのめん」の3冊。「森のなかへ」は、登場人物や描き込まれた詳細な絵について話が盛り上がり、落語絵本の大阪弁には思わずうふふ。絵本の選択も吉岡さんのセンスが光ります。絵本のあいまには、作者や時代背景、歴史や文化の違いについて少し話したり、子どもの頃に飼っていたアヒルのガァ子がおもちゃ代わりだったと思い出す人もいて、見た目は実年齢ながら、気がつけば誰もが5歳の心を取り戻しているように感じられます。
時間にもお金にも権威にも固定観念にも縛られない5歳の、自由な空間《大人のためのおはなし会》は、想像力を浮遊させる楽しさに溢れ、気づかなかった自分自身に出会い、みんな笑顔になって帰路につく絵本の森のようです。あなたも「森のなかへ」いらっしゃいませんか?

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サラ・シャンティ

Author:サラ・シャンティ
311東北大震災で眠っていた日本人の意識を目覚め、創業以来20年の努力が報われた。日本人が世界の期待に答えるために、縄文基底文化に秘められたカタカムナの謎を解明し、高天原の神々からの波動を受けて魂と心と体が三位一体とし、利他で働く真の健康な人々の国を再生しましょう。

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